日本史

平安時代初期なぜ神が仏道修行に励む姿が表現されたのか

高校の日本史Bの教科書では,平安時代初期の文化である弘仁・貞観文化のところで,僧形八幡神像という神像彫刻があげられています。 www.yakushiji.or.jp これはいったい何を表している神像彫刻なのでしょう?川尻秋生氏は『平安遷都』の中で以下のように述…

ポツダム宣言はどのように生まれたのか

「ポツダム会談があってポツダム宣言が出された」と説明されると、ポツダム会談で宣言について話し合われたと理解するのが普通です。しかし高校の教科書をよく読んでみると、その理解が間違っていることがわかりました。 7月には、3国はベルリン郊外のポツ…

新課程の山川出版『詳説日本史』をどう教えるか?〜近世初期

山川出版社の新課程の日本史Bの教科書は,新しい項目が立てられたりしていて,同じ教科書でも当然毎年教材研究を深めてはいるが,新しい項目についてはゼロからのスタートなので悩むことが多い。鎌倉時代に北海道や沖縄のことが新たに登場したのは,実際はこ…

常識は覆されるもの

コンビニでふと目に止まった本世界一受けたい日本史の授業作者: 河合敦出版社/メーカー: 二見書房発売日: 2012/08/01メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る「あなたの習った歴史教科書は間違いだらけ!?」なんてことが表紙に…

前回のエントリで長谷川平蔵のことを書きましたが,寛政の改革のことを知りたいとなれば,中公新書の『寛政の改革』がおすすめです。松平定信の寛政の改革が,社会政策を重視していたことを詳しく知ることができると思います。松平定信―政治改革に挑んだ老中…

「そのとき歴史が動いた」で長谷川平蔵を見直しました

NHKの歴史番組,好きです。 今日は長谷川平蔵の特集でした。鬼平犯科帳の鬼平が実在した人物だと思っていない人もいるかもしれませんが,松平定信の寛政の改革(18世紀後半)の時代の実在の人物です。 今日の番組を見て,初めて知ったこともあったので,忘れ…

蛮社の獄で勘違い

江戸時代の終わり頃,幕末の歴史について少し考えてみたのでメモしておきます。 1837年,日本人漂流民の送還と通商を求めて江戸湾にはいったアメリカ船モリソン号を幕府軍が砲撃(モリソン号事件という)。この事件について,尚歯会の渡辺崋山や高野長英らは…

第2次大隈内閣

1914年4月にはじまった大隈重信による2度目の内閣は,第1次護憲運動やシーメンス事件など薩摩や長州の藩閥や軍部に対する国民の不満が噴出するなかで成立した。第1次護憲運動は陸軍大臣上原勇作が2個師団増設を首相西園寺公望に拒否されたことに対して大…

人類の進化

猿人→原人→旧人→新人と人類が進化を遂げてきたという話を習ったとき,ある瞬間から一斉に産まれてきた子どもが次の段階になっているなんてあり得ないという疑問は無かった。ただ暗記するだけの学習だったからだと思う。 実は旧人のネアンデルタールと新人が…

坂本龍馬は幸せだった?

龍馬のエピソード(作り話の可能性が高いが)で,彼の変わり身の早さ,臨機応変を示すものとして,短い刀,ピストル,万国公法へと懐の持ち物が変わったエピソードがある。不平等条約を結び,列国との不利な関係の中で近代日本をはじめていくとき,万国公法…