映画「ひめゆり」を紹介する新聞記事を読んで

北海道新聞(夕刊)2008年1月15日(火曜日)第2面の”Entertainment”のコーナーに,「19日札幌で公開『ひめゆり』」という記事があり,柴田昌平監督のインタビューが載っていました。これを読んですごく心に響いたので,記録にとっておきます。


記事はアジア・太平洋戦争末期の沖縄戦で「ひめゆり学徒隊」となり生き残った人たちの証言をまとめたドキュメンタリー映画「ひめゆり」を,柴田監督のインタビューとともに紹介するものです。


ひめゆり学徒隊は,沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の女学生が看護役として陸軍病院に動員されました。そして,参加した222人中123人が亡くなりました。日本史で学ぶことですから,人によって軽重はあると思いますが,この歴史的事実を全く知らない人は少ないのではと思っています。


また,関連して書いておくべきこととして,沖縄戦では北海道出身者の多い部隊が送り込まれていて,戦死者数では沖縄県の人に次いで多いことも知っておくことだと思います。


私は,下に引用する記事中の文章を読んで,色々と考えることがありました。

世話をした負傷兵が亡くなる様子が紹介される.北海道出身の兵士が「戦争が終わって北海道に戻れたらスズランの花を送るよ。ありがとう。」と言いながら息を引き取り,初めて遭遇した人の死にショックを受けたと当時十八歳だった女性は語る。

最初はこの兵士の方は,看病により良くなることに望みを持ちながら亡くなったのかと思っていました。でも,言いながら息を引き取ったのなら,そのことを話している時には死期を悟っていたのかもしれません。それなら「スズランの花を送る」という言葉は,「ありがとう」だけでは伝えきれない感情を表すために考えたことだったのかなと思うと胸が締め付けられるような思いになりました。


映画「ひめゆり」は北海道では今のところ札幌だけで公開が予定されています。
DVD化などの予定はないみたいですから,札幌まで見に行ってしまいましょうか。