2017年の大学入試センター試験が近くなってきました

今年のセンター試験は1月14日(土)〜15日(日)です。徹底的にアウトプットしている時期ですね。

 

一番のセンター対策はセンター試験の過去問をやることだと言われています。河合塾やベネッセ・駿台などの模擬試験はセンターの傾向を踏まえての出題をしているので、模試の解き直しも余裕があればやってみるといいでしょう。とにかく問題をこなし、わからないことがあったら教科書で確認していくことで、正確な知識と理解を目指しましょう。

 

さて、今日はZ会のセンター対策問題を見て驚いたので、そのことについて書きたいと思います。

 

センター試験日本史B年代配列問題のZ会バージョンで、刈田狼藉、守護請、半済令を年代順に並べ替えるという問題でした。

 

質問を受けた時には、「守護の権限拡大についてだから鎌倉時代に設置された守護が南北朝の動乱を経て権限を拡大し、戦国時代には幕府に頼らない自立した権力を確立したのね。」という問題だろうと思い込んでいました。しかし、室町時代に守護から守護大名へと成長していく中で新たに獲得した権限の3つを並べるという細かすぎることを年代整序問題として聞くというもので、最初は「こんな細かいことを聞くなんてセンター試験ではあり得ないでしょう」と答えて済ませてしまいました。

 

しかし、問題集(模擬試験?)として聞くくらいなのだから、何か出題する意味があるに違いないと考えてみました。

 

それで自分なりに考えた結論です。

守護が最終的に実現したいのは、任国に対する支配権を強化することです。

その第一段階として、鎌倉時代には権限を大犯三箇条に制限されていた状態から拡大するため、他人の所有する土地の収穫物を奪い取る刈田狼藉という行為をその土地の所有権を主張する土地をめぐる争いから生じる行為から、自分の土地ではない土地から生み出された収穫物を奪い取る窃盗行為として取り締まる権限を手に入れたり、幕府の裁判を強制的に執行する権限によって任国に対する支配権を拡大します。

 

次に観応の擾乱をきっかけに、戦時ということで任国の年貢の半分を兵糧米として手に入れる半済により、さらに任国に対する支配権を強めるとともに、半済で手に入れた兵糧米を在地の武士に給与として与えることで守護と在地の武士との間で主従関係が作られます。しかし、半済は守護に年貢の半分を与えるというだけでなく、年貢のもう半分はその土地の領主が手に入れることを幕府が保障し、守護が戦時というどさくさに紛れて権限を強化しないように制限したとも言えます。

 

ということは、守護は残りの半分の年貢にも手を出すことでさらに権限が強化するわけで、それが守護請によって実現するわけです。

 

という守護の権限の拡大にはいくつかの段階があるということを踏まえれば、Z会の問題も必ずしも細かすぎる悪問とは言えなくなります。(とはいってもセンター試験ではここまでは出題されないと思います。)おそらく、2次試験の論述問題も意識した作問をした結果なのだと思います。

 

そうやって考えると、Z会の問題集は全然使えないという私の見方にも修正がひつようなのかと...