非正規雇用者3分の1を超える

非正規労働者3分の1超える(NHK)より

国が毎月行っている労働力調査によりますと、15歳以上で働いている人の数は、去年1年間の平均で、前の年より86万人増えて5174万人となりました。このうち、パートや派遣など正社員ではない非正規雇用の労働者の数は、前の年より55万人増えて1732万人に上り、過去最高になりました。また、非正規雇用の労働者が働く人全体に占める割合も過去最高の33.5%となり、働く人の3分の1を超えました。

非正規雇用者のうちではパート・アルバイトの数が一番多いので,確かに非正規雇用のほとんどはその収入で自分の生活を支えるわけではない学生などが多い。ということができるかもしれません。しかし,以前よりは非正規雇用者の中で,それで生活していたり,家族を支えている人が増えてきているのも事実だと思います。

以前のエントリでワーキングプアのことを取り上げて以来,非正規雇用者やワーキングプアに関するニュースを気をつけて見るようにしています。
非正規雇用者のうちでも,最も問題視されているのは「日雇い派遣」だと思います。政府調査によれば,月収は13万円ほどで月に14日程度しか就業できていない状況で,その日暮らしの状況を余儀なくされているそうです。日雇い派遣の中には,危険な作業をさせられていても,正社員を前提とした制度である社会保険への加入はできないため,仕事中に怪我をしてしまえば労災はおりず,働けない期間は無収入になってしまうということもあるようです。

労働政策審議会では派遣労働の見直しを審議しているようですが,日雇い派遣をなくすような厳しい見直しから,更なる規制緩和によって自由に働きたいと考える労働者の要望に応えようとする動きもあるそうです。現在のように派遣労働が広がったのは,1999年から実施された労働市場規制緩和によるものだったのに,これ以上規制緩和してしまってよいのでしょうか。

  • 労働者派遣法(1986年)ソフトウェア開発など専門分野に限定された法律だった
  • 労働市場規制緩和(1999年)建設・港湾運送・警備・医療・物の製造などを除き,原則自由化
  • 更なる規制緩和(2004年)物の製造も派遣解禁となる
  • 今でも建設や港湾運送などについては,派遣労働は禁止されているが,大手人材派遣会社が禁止されている業種にも派遣していたことが明らかになっていて,実際は規制がうまくいっていない状態といえるでしょう。

今は「派遣労働をどうするか」より,派遣労働など非正規雇用者が安心して働ける社会にするには,どんな改革が必要かを考えるべきではないでしょうか。