指導理論
ヴィッセル神戸の「アカデミーアドバイザー」に,スペインバルセロナの育成部門で統括責任者を務めていたアルベルト・ベナイジャス氏が就任したというニュースを読みました。彼の哲学はサッカー以外のスポーツにも当てはまるなと思ったので記録に残しておきます。
まず,サッカーは足で球をあつかうという日常生活にはない動きをしながら,チームで行うスポーツだから次のことが重要になる。
「私が育成トップにいた時は個人への人間的教育、周囲とのコミュニケーション能力の向上、サッカー選手としての技術の進歩。これを三つの柱としていた」
非日常の動きをするのだから,その技術を身につけるには粘り強さが必要。だから
「謙虚に学び、取り組みたいと思わないことには成長は難しい。そもそも取り組もうとする姿勢が伴わなければ、何も身につかない」
として人間性を重視しています。
また,幼少期の選手の指導には,チームで行うスポーツなのだから
「10歳以下は『仲間と仲良くしよう』『時間をしっかり守ろう』などということ。学校や家庭、地域で身につける価値観を学ぶだけのこと。ただ同年代と横断的にだけでも、年上の人間と縦断的にだけでもない、両方を合わせたダイアゴナル(対角的)なコミュニケーションの向上を意識している」
ということを重要視しているそうです。
これらのことって,別にサッカーだけに言えることではないですよね。
バドミントンだってフットワークは日常生活にはない動きで,ラケットワークはとても複雑だと思います。そういう技術を学ぶには,謙虚に学ぼうという姿勢がなければ向上はありえません。
自分がこれまで何となく思っていたことを,言語化してくれた気がします。
最後に
サッカーの現状に対して提言がある。「よく起こる間違いは選手のアスリート的要素ばかりを重要視し、試合状況、試合展開を認知したり、認識したりする大切さを忘れてしまうことだ。実はそこがサッカーにおいては最も重要」
ハリルホジッチ監督が解任されたとき,何かの記事で読みました。日本人は指示されたことを正確にやることはできるが,ピッチで状況を判断し自分で考えて動くことができない。それをハリルは実現しようとしたが,日本人の特性に合わなかったというような記事でした。
フィジカルが高くなくても状況判断にすぐれた選手の方が将来の活躍があり得るということですが,状況判断を鍛えるにはどのような指導があるのでしょう?